小児歯科
小児歯科
小児歯科で大切なのは、むし歯を治すことだけではありません。お子さまを歯医者嫌いにしないことや、予防を行ってむし歯ができにくい口腔内環境にすることも大切です。そのため、保護者さまへのアドバイスを積極的に行っています。
子どもの頃の治療体験はとても重要です。無理な治療が原因で、歯科恐怖症になってしまうお子さまもいらっしゃいます。歯科治療恐怖症で苦しんでいる大人の患者さまを多く見ている私たちだからこそ、当院を訪れるお子さまにそのような思いはさせたくないと考えています。
お子さまに不安を与えない当院の治療
●できるだけ押さえつけない
押さえつけると余計に恐怖心が増してしまいます。当院では焦らずに、できるだけ押さえつけることなく治療にあたります。
●まずはトレーニングから
チェアに座って鏡を見たり器具に触れたりして、まずは周囲の環境に慣れていただきます。
●必要に応じてお母さまの力を借りる
歯科では一般的に「治療室に保護者が同席するのは3歳まで」と考えられています。当院ではそのような常識にとらわれず、必要があれば治療の際にお母さまに同席していただいています。ただし「母親がいると治療ができる」のか「母親がいると甘えて治療ができなくなる」のか、子どもの個性を見極めることを重視しています。
●なるべく痛くない治療を
どんなに安心できる環境を作っても、治療が痛くては歯医者嫌いの子どもになってしまいます。そこで当院では、表面麻酔をしてチクリという感覚をなくしてから麻酔を打つなどの工夫をしています。
同じ母親目線でのアドバイス
お子さまの治療にあたるのは、子育て中の歯科医師。母親としての目線も大切にしてアドバイスをしています。
たとえば「むし歯になるから」という理由で、1歳半で断乳を進める歯科医師は多くいます。それで悩んでいるお母さまを多く見かけますが、母乳を与えることで精神的なつながりができることも事実です。お母さまがそれを望み、予防をしっかりできるのであれば、やめる必要はないと考えます。
お子さまの予防メニュー
お子さまの歯は大人に比べて柔らかく、健やかに保つためにはむし歯予防やブラッシング指導が欠かせません。予防のためにこまめに通っていただくことも大切です。小さな頃から「こまめに歯科医院で予防をすればむし歯にならず、怖い思いをしない」ということを、一緒に教えていきましょう。
●フッ素塗布
歯に直接フッ素を塗ることで、むし歯菌から歯をガードする膜を作ります。剥がれてしまうため、定期的な塗布が効果的です。
●シーラント
奥歯のでこぼこした部分を薄いプラスチックでコーティングして、むし歯を予防します。フッ素よりも剥がれにくいので、定期的な塗布は必要ありません。
●ブラッシング指導
お子さまのお口の中の状態を見ながら、むし歯を作らないブラッシングのコツや、嫌がる場合の対処方法、食生活や仕上げ磨きの大切さなどをレクチャーします。
床矯正
歯並びには、遺伝的要素が表れる場合や習慣的な要因が影響している場合があります。将来的に矯正を考えている方は、ぜひ早めにご相談ください。成長期前のお子さまを対象に、顎の成長を促進する床矯正にも対応しています。
しかし残念ながら床矯正装置は大雑把な歯の移動しかできません。従って、わずかなデコボコの歯並びは床矯正装置で治療できることはありますが、多くの場合はワイヤーを使用するマルチブラケット装置が必要です。
●床矯正のメリット
- 床矯正だけで治る場合は経済的な負担があまりかからない(稀なケース)
- 歯磨きや食事のときに装置を外せるので衛生的
- 痛みがほとんど出ない
●床矯正のデメリット
- 床矯正だけで必ずしもきれいに並ぶとは限らない
- 取り外しができるので、使わないと効果がない
- 本人が矯正治療に積極的でないと、装置を使わないことがある
- 比較的違和感があり、喋りづらい
- 3日ほど使わないと装置が合わなくなり、作り直すことになる
床矯正装置で矯正治療を始める場合は治療の流れをよく理解し、床矯正装置を使用したあと、ワイヤーを使う矯正装置に移行するかどうか、必ず担当の歯科医師に確認してから治療を開始しましょう。